令和5年度問12 行政手続法の定める聴聞に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

令和5年度本試験

問12 行政法 

1 聴聞の当事者または参加人は、聴聞の終結後であっても、聴聞の審理の経過を記載した調書の閲覧を求めることができる。

2 聴聞の当事者および参加人は、聴聞が終結するまでは、行政庁に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。

3 当事者または参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、証拠書類等を提出し、主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。

4 当事者または参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書および証拠書類等を提出することができる。

5 当事者または参加人が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、陳述書等を提出しない場合、主宰者は、当事者に対し改めて意見を述べ、証拠書類等を提出する機会を与えなければならない。

問12 解答

正解 5 (難易度:B)

1.○ 正しい。聴聞の審理の経過を記載した調書の閲覧は、聴聞の終結後であっても当事者または参加人が求めることができます。これは、手続の透明性を確保し、当事者の権利を保護するための措置です。

2.○ 正しい。聴聞の当事者および参加人は、聴聞が終結するまで、行政庁に対して調査の結果に係る資料の閲覧を求めることができます。これは、当事者が自身の立場を適切に主張し、防御するために必要な情報へのアクセスを保障するためです。

3.○ 正しい。当事者または参加人は、聴聞の期日に出頭して意見を述べ、証拠書類等を提出し、必要に応じて行政庁の職員に質問をすることができます。これにより、当事者は自らの主張を支持するために必要な行動をとることができます。

4.○ 正しい。当事者または参加人は、聴聞の期日に出頭する代わりに、聴聞の期日までに陳述書および証拠書類等を提出することができます。これにより、出頭が困難な場合でも、意見や証拠を提出する機会が保障されます。

5.× この選択肢は誤っています。行政手続法において、当事者または参加人が正当な理由なく聴聞の期日に出頭せず、かつ陳述書等を提出しない場合、主宰者は新たな機会を与える義務を持ちません。聴聞は原則として予定された期日に実施され、当事者が出頭しない場合にはその不利益を被る可能性があります。

解説:
この問題は、行政手続法における聴聞のルールに関する理解を問うものです。選択肢1〜4は、聴聞の適正な手続きを説明しており、法律に準拠しています。これらの規定は、当事者の権利を保護し、手続の公正性と透明性を確保するために重要です。一方で、選択肢5は当事者が出頭しない場合の手続きについて誤った情報を提供しており、行政手続法の規定と異なります。行政手続きにおいては、当事者に与えられた機会を適切に活用することが重要であり、その責任も当事者にあります。

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